遠浅の海、羊の群れ。

羊の群れは、きまって遠くの向こう岸で、べえやべえやとわなないている。

書いてみたいもの

何かをやり始めるにはエネルギーが必要だ。

何かを「書きたい」と思っても、「書き始める」にはもっとエネルギーが必要だ。

そうして、今まで「書きたい」と思って、書けていなかったものがたくさんあると、今になってしみじみと思うのである。

「髪を切りたい」とか、「スマホを機種変したい」とか、「彼氏がほしい」とか、そんな日々の「したい」は誰にでも、腐るほどあるのだろうけども、明日もし地球が滅びるとしたら、明日もし寿命を終えるのだとしたら、書いてから、せめてこの皺の少ないなけなしの脳みそで、せめてせめて思いついたものだけでも、書いてから、この世界に現出させてから、死んでいきたいものだたなあと思うのだ。

新年の抱負というものがある。

年を改めるあたって、今年はこれこれを頑張りますという、あれだ。

願いを実現させる方法として、もっとも効果がないのは「誓いを立てること」だと、僕の恩師は言った。

もう少し詳しく言うならば、「自らの行動について、決意を語ることほど無意味なことはない」という旨の話だった。

ではどうすれば願いは成就するのか。

一日も早く、一回でも多く、行動を実行することだ。

決意を固めるのではなく、固めているなら、もう走り出してしまったほうがいい。

得てして、言動と行動は一致しないことも多い。

ならば、言う前に動け。

今回の場合は、「書きたい」ではなく「書く」である。

そんな言い切りの精神で、このページも次々に汚していきたい。